びまん性脱毛症の治療方法や費用について
女性の薄毛と言えば、男性のAGAとは異なり、全体的に髪の毛が薄くなってくるびまん性脱毛症です。このページではそんなびまん性脱毛症の治療方法について詳しく説明するので、治療する方は参考にしてください。
びまん性脱毛症とは
治療方法について説明する前に、まずはびまん性脱毛症について簡単に説明します。
まず、びまん性脱毛症は頭皮内にある毛乳頭や毛母細胞の活動が低下する(頭皮内の代謝が落ちる)事によって、髪の毛が細くなったり、1本の毛穴から出てくる髪の毛の本数が減ります。
正常な場合であれば、1本の毛穴から2~4本の髪の毛が生えていますが、びまん性脱毛症では0~1本しか生えてこなくなります。そして、そのような状態が毛穴のあちこちで起こると、髪の毛のボリュームが減り、地肌があらわになります。
女性の場合、分け目付近を中心として薄くなるパターンと頭頂部を中心として薄くなるパターンが多い傾向にあります。
びまん性脱毛症の原因とは
ではなぜびまん性脱毛症になるのか、すなわちなぜ毛乳頭や毛母細胞の活動が低下するのかを説明します。
現在、びまん性脱毛症の原因として考えられているのが、
- 女性ホルモンの減少・生理の乱れ
- カラーリング・パーマー等によるダメージ
- 過度のストレス
- 過度なダイエット
- 産後
です。
その中でも女性ホルモンの減少や生理の乱れは特に注意すべきです。
と言うのも、女性ホルモンの中のエストロゲンは髪の毛の成長を促す作用があります。女性が男性よりも薄毛になりにくいのはこの女性ホルモンがしっかりと機能しているからとも言えます。
なので、高齢期の女性の場合には年齢による女性ホルモンの減少が、若い女性の場合には生活習慣の乱れからくる生理の乱れが、最もびまん性脱毛症になりやすいとされています。
びまん性脱毛症を治療するには
では、びまん性脱毛症を治療するにはどうすればよいかと言うと、活動の低下した毛乳頭や毛母細胞を再び活発にしてやる必要があります。
そうする事で髪の毛の太さが太くなり本数が増えてくるので、髪の毛のボリュームが増え地肌の露出部分が減ります。
育毛剤パントガールによる治療
薄毛の治療と言えば、一番最初に思い浮かぶのが育毛剤による治療です。
びまん性脱毛症に効果がある育毛剤と言えば、ドイツのMerz社によって製造販売されているパントガールが、日本では唯一処方箋医薬品として認可されています。
パントガールには、
- チアミン :体内での代謝活動を促進させる働き
- パントテン酸カルシウム:代謝には欠かせない成分
- パラアミノ安息香酸 :細胞分裂を促す働き
- L-システィン :髪の毛を健康に保つ働き
- ケラチン :髪の毛の主成分
などの5つの有効成分が配合されています。
その中でも特に、チアミン、パントテン酸カルシウム、パラアミノ安息香酸の3つが頭皮内の代謝能力を高め、毛乳頭や毛母細胞の活動を活発化させます。
それによって、脱毛が抑えられ、髪の毛が太く成長するようになります。
また、L-システィンやケラチンは髪の毛の主成分であり、これらのサポートによってツヤのある健康的な髪の毛になります。なので、髪の毛をただ増やすだけではなく、女性として魅力のある髪の毛を作りだす事ができます。
育毛剤パントガールによる治療の特徴としては、治療にかかる費用は他と比べると安価であり、最も費用対効果が高い事です。なので、手軽に治療を開始する事ができます。
ちなみに費用としては6ヶ月8万~12万くらいです。
自毛植毛手術による治療
植毛手術というのも薄毛治療における定番ですが、こちらはかなりハードルが高いと感じる人が多いでしょう。
また、植毛手術と言っても、昔のような人工的に作られた髪を移植するのではなく、自分の髪の毛を移植する自毛植毛手術が最近の主流となっています。
自分の髪の毛を移植する事のメリットとしては、
- 移植後にも髪の毛が伸びる
- アレルギー反応が出にくい
- 定着率が高い
などがあります。また、最近ではメスを使わずに移植するFUE法と言う施術方法もあり、手術後の傷跡を気にされる方にも安心して施術する事ができます。
ちなみにこのFUE法はイギリスのサッカー選手ウェイン・ルーニーが行った植毛手術としても一時期話題になりました。
逆にデメリットとして、自分の髪の毛を使うため本数に限りがあり、無限に移植できない事が挙げられます。また、手術後に手術した事がばれないようにするのは非常に困難です。
この自毛植毛手術は、最も髪の毛が生えてくる確率が高いが最も費用がかかる治療法と言えます。気になる費用についてですが、植毛する本数(グラフト数)や病院によって異なりますが70万~180万ぐらいはかかります。
一応こちらに手術方法、移植本数における費用を計算するプログラムを作成したので、植毛にかかる費用について細かく知りたい人は参考にしてください。
それ以外の外科的施術を必要とする治療
そして、植毛以外での外科的施術を必要とする治療についてですが、これは頭皮内部に直接栄養成分や成長因子などを注入する事によって毛母細胞や毛乳頭を活性化させると言うものです。
実はこの施術には、注入する成分や施術方法によって
- 育毛メソセラピー
- HARG療法
- グロースファクター再生医療
などいくつかの種類に分かれます。
育毛メソセラピーは良質なたんぱく質の注入+α、HARG療法は成長因子を多数含んだHARGカクテル、グロースファクターもHARGカクテルを注入します。
ただし、グロースファクターはHARG療法と比べると施術に使う針がより頭皮に浸透しやすいように改良されています。
3つの内のどれが良いのか
上記で3つの施術について簡単に説明しましたが、実はこの3つの施術は、病院によって施術方法や注入するものが異なります。
育毛メソセラピーだが、特別な成長因子を入れているなどと紹介している病院もあります。また、施術に注射を使っているところもあれば、レーゼー光線や超音波など病院によってかなり違います。
なので、どの方法が一番良いのかを決めるのが非常に難しいのが現状です。恐らくどれが一番良いのかと病院に聞いてもうちの○○が一番だと答えるのではないでしょうか?
ちなみに効果としては病院等のHPを見るとかなり効果があると自信たっぷりに書かれていますが、おそらく自毛植毛手術よりも低いでしょう。ちなみに費用としては50万~100万です。
どの治療法を選択すべきか
ここまでびまん性脱毛症の治療方法について詳しく説明しましたが、ではどれの治療法を選択するのが良いのでしょうか?
これは、びまん性脱毛症の進行具合や治療に出せる費用にもよりますが、初めて治療らしい治療をするなら、まずは手軽に始める事ができ、費用対効果が高い育毛剤治療が一番良いでしょう。
やはり植毛や外科的手術を行う場合には高額な費用がかかり、しかも周りに手術した事がわかってしまうので、初めからこちらの治療法はお勧めできません。もちろんそんな事を気にしないと言う人ならいきなり手術から初めても問題ありません。
ただ、やはり周りに治療している事を知られたくないなら、まずは育毛剤治療から取り組みましょう。パントガールを服用すれば、ほとんどの人が脱毛症状を抑える事ができるので、そこからさらに髪を増やしたい場合に、外科的な手術を検討するのがベストです。
びまん性脱毛症の治療は半年~1年、長引いた場合では3年はかかるので、しっかりと長期計画を立てて治療するようにしましょう。